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2009年06月22日

TSUNAMI09アジア仕入の旅3日目

 やたら綺麗な鳥の声で目を覚ました。時計を見るとまだ朝の6時。外はそこらじゅう朝もやがかっている。近所からは、路地を掃除している竹ぼうきの音や、朝飯だろうか、すり鉢を叩いてる音が聞こえてくる。寝ぼけながら昨日の事までを振り返り、やっと自分が安住の地へ辿り着いたかの様な幸せな気分になっていた。

 今日は夕方5時のバスに乗って、織物の産地S村に向かって出発する。狙うはモン族、タイデーン族のアンティーク古布!およそ16時間の長旅だ。出発までまだ時間があるので、宿のチャリンコを借り地元のマーケットへ下見に行くことにした。

 一通りマーケットを見学し、ありました!インスピレーションでかっこいい古布発見!安かったので思わずGET!
TSUNAMI09アジア仕入の旅3日目

全てコットンで仕上げてあるが、伝統的なS字模様「ナガー(蛇,竜)」で、すくい織りをしている。ナガーは、メコン川の守り神としてしばしば使われている模様だ。しかも、いい感じに年代が経っていそうで惚れぼれしてしまう。激シブっすよ!奥さん!

 それからは、世界遺産の町を軽快にサイクリングし、なんやかんやしてる内にバスの時間が迫ってきた。荷物をまとめ食糧を買い込み用意万端!いざS村へ!前日の教訓もあってか、出発の1時間前にバスターミナルに行った。

 バスターミナルでチケットを買い、ここからバスに乗るのは初めてなので、窓口で詳細をいろいろ聞いてみた。すると、「17:30頃にバスがここを通るから、それに乗れ!」 ここを通る?通り過ぎるバスなの?なんかいやな予感・・・・・・
TSUNAMI09アジア仕入の旅3日目


 やはり、17:30になってもバスは来ず、18:00になっても来ず、19:00になっていい加減ブチ切れた!!!こちとら16:00から待ってんじゃーい!!何時間待たせる気だ!ゴオラァァ!!とでも言ってやろうと、窓口まで行き、頭を突っ込んだ瞬間、目の前にいたのはさっきまでの係りのおっさんではなく、一人の可愛らしい女の子だった。歳は3歳くらいか?思わず沖縄にいる内の子を思い出す。どうしていいか分からず、その子に微笑みかけていると、その後ろからどうしたとばかりに係りのおっさんが登場。どうやら彼の子供らしい。

 子供の手前、なるべくやさしい口調で「あの~バス来ないんですけど~?」おっさん「う~ん?とりあえず中に入ってお茶でも飲むか?」といわれ、事務所の中に通され遠慮無く頂く事にした。いろいろ話をしている内にすっかり意気投合、今度来た時は家に泊まりに来いとまで言ってくれた。やっぱラオス人は適当だけど純朴で親切だの~!コプチャイライライ!
TSUNAMI09アジア仕入の旅3日目

気が付けば外はすっかり暗くなり、バスを待つ人影もちらほらとしかいなくなっていた。その時、突然かなり下品なクラクションの音が辺りに鳴り響いた。やっとお目当てのバスが来たみたいだ。おっさんとお譲ちゃんに別れを告げ、クラクションの音のする方へ向かった。とにかく暗いのでヘッドライトだけが光っていて車体はシルエットでしか確認できない。クラクションは鳴らされ続けいきなりせかされている。俺の他にも10人位ここから乗る客がいたが、みんな一斉にバスに向かって走り出している。負けじと俺も走り出す。こんなに待たせといて何なんだよー!もー!

 バスに近寄って行くと、信じられない光景が目の前に現れた。とにかくぱんぱんなのだ。屋根の上にも荷物と人であふれ返っている。窓から車内をのぞくと、人、人、人、ヤギ、鶏、荷物のぎゅうずめ状態。うっそ~ん!?
前方の乗車口に周ってみた。既にステップにまで人が立っていて、どこから乗っていいやら全く踏み込めない。一瞬行くの止めようかと思ったが、バスは1日1本で明日だって同じかもしれない。そんな時に脳裏に浮んだのがアントニオ猪木の言葉だ。「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめばそこから道は無し。迷わず行けよ、行けばわかるさ!ありがとー!1,2,3 だぁー!」次の瞬間、俺はバスの中に体をねじ込ましていった。オゥラァー!!!

 なんとかバスの中に体は入ったものの、真ん中の通路も人とヤギと荷物でいっぱい。二人掛けの座席には3~4人無理やり座っていて、座席のひじ掛けの上にも立ってる奴までいる有様だ。唖然としている俺を見て、皆呆れて笑っちゃっている。どうする事も出来ずにそのまま立ちすくんでいたが、ふと下を見ると、多分米らしきが入った土のう袋が2段積んであり、もちろんそこにも人が座っているが、はじっこの8分の1スペース位がわずかに空いており、そこに無理やりケツを押し込んだ。確保~~!!
が、しかし座ったとたん手も足も腰もピクリとも動かす事が出来ない。がっちりと人型パズルにはまった感じになってしまった。
超無理してる~~!!!これで16時間なんてまともじゃない!!!狂ってしまうよー!やっぱり降りようと思ったが、既に時おそし、バスは出発山の中。もう、どうにでもなれと開き直るしかなかった。

 このバスがまた凄かった。車体は韓国製のヒュンダイの中古車。上りはパワーが無く超ノロいが、下りになると真っ暗闇の峠だと言うのに、アイルトンセナ真っ青のコーナーリングでヘアピンカーブに突っ込んで行き、物凄いスピードを発揮する。もちろんガードレールなんかあるわけが無い。ちょっとのミスで谷底へ真っ逆さまだろう。そして、そんな不安を打ち消すかのような、スピーカーが割れんばかりの大音量の超明るいラオスミュージック。

 乗車してから10分もかからず、ケツが痛くなってきた。足もくずせない。首しか動かせない。喉がからからだが、腕が動かないので水が飲めない。真っ暗闇の中、ラオスミュージックガンガンのぎゅう詰めオンボロバスがラオスの峠を爆走している・・・・・・
「なんの?なんのプレイだー!!!!!」 突然、笑いが込み上がってきた。今考えると、完全に頭がおかしくなっていた。是非カメラに収めたい瞬間だったが、なんせ手も動かない状態だったので後から撮ったバスだけでもどーぞ!
TSUNAMI09アジア仕入の旅3日目

こうして、長い長い悪夢の様なバスの旅は始まったのでありました。

 
 



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Posted by ragmass at 19:15│Comments(0)ラオス
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