2011年02月25日
TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅
次の日、チェンマイでの仕事も終わり、清々しい気分で昼飯を食いに行こうとホテルのロビーを通り過ぎようとした時、カウンターの中にいるジュンちゃんに呼び止められた。
今日仕事が早く終わるから、後でコーヒーでも飲みに行かない?
突然のお誘いに、俺の中の伊藤みどりが華麗に三回転半をにきめた!
珍しい事もあるもんだ。知りあってから10年、あの真面目一徹のジュンちゃんが、初めてお誘いをしてきてくれたのだ。
しかし、俺にはわかっていた。これは何かあるに違いないと。
そして一度ホテルを出て、約束の時間に戻ってみると、ジュンちゃんの他にYさんとクロマティーをびっくりさせた様な女の子が一緒にロビーの椅子に座っていた。
皆、何故か普段よりお洒落をしているところを見ると、ジュンちゃんと二人っきりではないらしい。
場所を移動し皆が席に着くなり、Yさんがいきなり話し始めた。
「今日はちょっとお話があって...」
「?」
「保証人になってくれませんか?」
「なんの?!」
「やっぱり私は日本に帰りたいんです!でも日本人の保証人がいないとタイ人には簡単にビザがおりないんです!あなたはすごく良い人、信用できる、どうか私の保障人になってください!」
「でも今日本もすごく不景気で、来ても仕事ないと思うよ。」
「そんなんじゃない!お金じゃないです!私お金ある!」
興奮してきてカタコトになってくるYさん。
「日本のなにがそんなにいいの?」
「日本人嘘つかない!嘘を嫌う!正直で皆すごくやさしい!日本の文化、自然、伝統みんな大好き!タイはもうやだ!」
それを聴いた俺は言い返す言葉が出なかった。
確かに、タイは旅行に来ている分には楽しいかもしれない。だが住むとなると日本の生活を味わってしまった彼女にとってはかなり過酷な場所なのだろう。
そう言っている間に、その横でレストランの従業員が子犬を蹴っ飛ばし、皆で笑っていたりするのだ。
これは至ってタイでは普通の光景だったりする。
それを見ながら「なんでそんな事するの~!かわいそうに~!もうやだこんな所~!日本に帰りた~い!」といって泣き出すYさん。
相当たまっているのだろう。しかしこんなにも日本を愛してくれているとは。
まったく日本人のくせに、自分達の歴史も知らず、どれだけ恵まれた環境にいるのか判ろうともせず、偽善的正義感で反日活動している様な人と、出来る事なら国籍を是非交換して上げて欲しいと心底思った。
そして俺は、前の日にYさんに助けてもらった恩もあり、むげにも出来ず、次の日一日掛かりでYさんと一緒に大使館まで行ったのはいいが、結局俺なんかが出来る様な代物ではなかった。
なんせ、膨大な量の書類とかなりの時間が掛り、帰国が迫ってる俺には到底無理な話しだった。
本当に胸が痛んだ。
結局の所、Yさんとジュンちゃんは親戚同士で、前々から俺の事を知っていたジュンちゃんを出汁に使い、それに俺はひょいひょいとくっ付いて行ってしまい、また面倒な事に巻き込まれたというだけだった。
ん~~~~~~~何だか知らんがまたタイに負けた。
俺の大バカ野郎っ!
おわり
TSUNAMI 10 アジア仕入れの旅をここまで読んでくださった皆様ありがとうございました。
また明後日からアジアへ仕入れに行く次第であります。
スペシャルレアアイテムも入荷の予定ですので
TSUNAMI 11 アジア仕入れの旅と共にご期待くださいませ。
Posted by ragmass at 20:51│Comments(2)
│仕入の旅
この記事へのコメント
こんにちは。。。
期待しております。。。
いってらっしゃい。。。
期待しております。。。
いってらっしゃい。。。
Posted by flowershop Frances at 2011年02月26日 18:00
>>Francesさん
ありがとうー
いってきます~!
帰ってきたらお店いきますね~!
ありがとうー
いってきます~!
帰ってきたらお店いきますね~!
Posted by ragmass at 2011年02月26日 18:09