2012年07月30日
2012 仕入れの旅
翌朝、携帯の時計を見ると8時をとっくに周っていた。モーチットマイからチェンマイ行きの7時のバスに乗るはずが、思いっきり寝坊である。
ここで熱湯風呂に突き落とされる上島竜平の様に焦ってもいいはずだが、朝から30度超えの猛暑の中、全く急ぐ気にもならず、とりあえず一服する俺。
今回の買い付けは、全く最初から予定通りに事が運ばない。多分、今回はそういう事なのだろう。ここで無理やり予定を合わせようとしても、良くない事が次から次へと起きるに相場は決まっている。なので全て流れにまかせる事にした。
何も決めない!ゴールさえ合ってればそれでいい!と、自分に言い聞かせ、ゆっくり身支度を済ませ、宿を後にした。どうせバスなんざ沢山出ていて、行きゃ直ぐに乗れるんだろ~と、その時はタカを括っていた。
船バス→BTS→バイタクを使い、モーチットマイバスターミナルへ。
ここはタイの東北部行きのバスターミナルだが、着いてみてびっくり!
まだ午前中だと言うのに、ターミナルは人でごった返し、チケット売り場はまるでディズニーランド並みに長蛇の列。しかも、色んな会社の窓口が無数にあり、どの会社がいいのかさっぱりわからないし、どれも皆値段が微妙にちがってくる。
とにかく、一番安い所を見つけ列に飛び込むが、そういう所は同時にかなり人が並んでいる。
30分は並んだろうか、やっと自分の番がきた。
「アイワナゴートゥーチェンマイバイバス ワンパーソン ホワッタイムゴー?」
受付の小奇麗なおねーさんが自分の時計を指差してる。よく見ると6時!?
現在の時刻は午前11時30分。。。
「それしかないの?」
「カップ!」なぜか日本語が通じてる。
しかも、残り3席!その次のバスは8時!
他のバス会社を探して、また並んでこのバスより条件が悪い事もありうる。で、戻って来てもこの3席は埋まってしまうだろう。
う~~~~ん!?
いきなり究極の選択を何秒かで迫られる俺。後ろにはズラ~っと人が並んでいる。受付のねーさんも眉を細めながら片手に持っているペンを「コツコツコツ」と、「早く決めろ!この外国人!」というドSな態度。一気に汗が噴き出してきた。
「も~めんどくさいからこれでいいや!」と、6時のバスのチケットを取ってしまった。
さ~後は、この空白の6時間をどうするかだ。なるべく有効に使いたいが、なんせ既に思い荷物を背負っている為、無駄な動きはしたくない。
バスターミナルの中をうろついてみたが、やたら人がごみごみしているだけで、いまいち自分の居場所が見つからない。くわえて暑いし腹も減ってきた。
よし!とりあえず飯でも食おう!
が、どこも満席で意外と値段もお高く、いまいちな食堂ばかり。
その時、俺はひらめいた!
そうだ!こういう時は社員食堂だ!社員食堂を探せ!
建物の裏の方へ周り込み、ようやく人がまばらになってきた。
うん、臭う。臭うぞ臭うぞ!あったー!!!
やっと見つけた社員食堂。と、言うより社員屋台はボロボロで、おばさん2人でやっている所だったが、安いし量もあり、なんと言っても周りが木に囲まれていて居心地が最高に良かった。
ありがたい事に冷たいお茶も飲み放題。おばさん達も愛想良く話しかけて来てくれるので暇はしない。
んも~~~ここを離れたくありません!!
それから本を読んだり、物書きをしたり、場所柄行き交う人々を眺めてたり、なんだかかなり充実している自分に気が付いた。
思えば、日本にいる時は仕事に追われてこんな暇は皆無だ。今、この時間を大切にしようと柄にもなく黄昏の時を噛みしめてしまった。
が、時間はあっという間。集合時間の5時になり、また混沌としたバスターミナルに戻るハメに。
ゲートナンバー24には、しっかりショーケースの様な派手なバスが時間通り滑りこんで来た。
バンコクからチェンマイへは約11時間。まったくこの先うまく流れをつかめるか心配だ。
だって、まだ何にもしてないのに何だこの疲労感は~!?
つづく
Posted by ragmass at 19:12│Comments(0)
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