無国籍衣料店　ＴＳＵＮＡＭＩ

５日目　その２
　
　アジア一不味いチャーハンを食べ終え、とりあえず仕入れの為、すぐ近くにある市場へ向かう事にした。ここの市場は近くのいろんな村の民族衣装や織物なんかが一通りそろっている。いわゆる総合デパートみたいなもので、他にも日用品屋、野菜くだもの屋なんかが並んでいて、山から下りてきている多種多様の少数民族の人達でなかなか賑わっている。皆さんかなり大きな荷物を担ぎ、何かを村から持って来てはそれを売り、そして売ったお金で何かを買って村に帰るのであろう。

市場の中に入って行くと、いきなり山の女の人が俺の目の前に立ちはだかり、片手で何やら差し出してきた。その手にもっている物を良く見ると、それは親指の先ぐらいの大きさのシルバーの塊だった。それは、まだ形も整っていなくて、掘って溶かして固めてもってきました～という様な代物だった。そー言えばラオスはシルバーの産地でもあるのだ。渋い！渋すぎる！値段を聞いたがタイ語も通じない位の完全な山の民で、何を言ってるのかさっぱりだ。それを見かねたタイデーン族のおばさんが通訳に入ってくれたが、それでもよく分からない。仕方が無いので直接お金を出して、これ何枚？と聞くと、かなり安い事が判明したが、まだ市場に着いてから３分も経ってなく、他にもこんな人達がまだいるんじゃないかと思い、とりあえず断ってしまった。が、後悔先に立たず。その後もそんな人もそんなレアなシルバーも全く現れず、後からそのおばさんを捜し捲くり、やっと見つけたが時すでに遅し、どうやら既に売れてしまったらしい。慎重さが裏目に出てしまった。ドラクエでいうと重要なアイテムを取り忘れた感じがしたが、あの人はいったい何族の人だったんだろう？地元の人でもわからない時があるらしい。



市場での仕入れを終わらせ、午後からは歩いて１時間のモン族の村に行ってみる事にした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－　つづく　－